カニの漁獲量と輸入量

日本が輸入しているタラバガニ、ズワイガニの漁場は?

2016/11/03

日本のカニの需要量は国内で獲れる量を遥かに上回っています。このため日本は多くのカニを輸入しておりロシア、アメリカ、カナダからの輸入量が全体の9割を占めます。そこでロシア、アメリカ、カナダの主な漁場を地図上に載せてみました。なお、印がない場所は水揚げが無いわけではありません。

タラバガニの漁場はカムチャッカ半島近海、アメリカ合衆国アラスカ州のベーリング海のブリストル湾、同じくベーリング海のノートンサウンドという名の入り江などです。

ズワイガニの主な産地は、サハリン島とユーラシア大陸との間にある間宮海峡付近、サハリン島の東側海域、ロシアのマガダン付近の沖合い、ロシアのオゼルヤナ沖合い、アラスカのアリューシャン列島、コディアック島付近が知られています。ロシアのオゼルヤナの場所は地図を見ると北朝鮮のすぐ近くであり、北朝鮮の海域でもズワイガニが獲れるのですが経済制裁のため日本への輸入は2006年を最後に停止されています。

タラバガニやズワイガニの漁場は、北海道よりも北側にあることがわかります。ロシア産のカニは、捕獲後にそのまま船上の生簀(いけす)の中で活きたまま保管され稚内、紋別、網走などで水揚げされるものもあります。ただし急速冷凍したカニの数量のほうが多いです。アラスカやカナダ産のカニは、さすがに日本への距離が遠すぎるので、急速冷凍されてから日本などへ輸出されるものが多いです。

このほかロシア北西部にあるバレンツ海でもタラバガニが獲れます。これは1960年代にロシアが別の場所からタラバガニを放流したためです。目的は貧しい地域の救済だったようですが、結果として生態系を破壊することになったようです。1970年代末にはタラバガニは国境を越えてノルウェー領海に入り込み、地元のタラ漁に甚大な被害を与えたようです。そして時は流れ2000年代に入り、ノルウェーはタラバガニの商業捕獲を開始しました。バレンツ海の漁業枠はロシアとノルウェーが有しており、ノルウェーからはタラバガニやズワイガニが日本へ少量、輸出されています。今年行われたジャパンインターナショナルシーフードショーで、「ノルウェー産活タラバ蟹の日本市場でのビジネスチャンスを探る」と題した講演が行われたことを考慮すると、今後、ノルウェー産のタラバガニの輸入量は増えていく可能性があります。ノルウェーのタラバガニの取り扱い業者は例えばNorway King Crabや、Cape Fishがあります。しかしながら、運送コストを考慮すると当面は高級品のみに限られるであろうと私は考えております。



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