カニの漁獲量と輸入量

稚内税関の生タラバガニ輸入量推移

2017/09/22

「水産物の密漁・密輸出対策に関する日露協定」が2014年12月10日に効力を発生しました。これまではロシアで密漁されたカニが日本に大量に流入していたわけですが、資源保護の観点からはロシア政府も看過できなくなったのでしょう。
下の2つのグラフは、稚内税関でのタラバガニ(冷蔵)の通関数量と、日本全国のタラバガニ(冷蔵)の通関数量を示しています。タラバガニ(冷蔵)のほとんどは稚内(あるいは紋別)に入港していておりますが、2015年は、懸念通り稚内への入港量が激減しています。2016年1~5月は、ほとんど入港していません。2016年6~12月は入港していますが、例年より少ないです。この影響で稚内市内のカニの加工業者は危機的状況です。
なお、痛みが速い「死んでいるカニを冷蔵」で輸送するメリットはまったくありませんから、基本的にすべて「活タラバガニ」と考えて良いと思います。

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2015年8月は、稚内税関の通関数量が遂にゼロになってしまいました。2015年7月以降はノルウェー産の活タラバガニが空輸されていますが、輸入数量は2015年8月が442キログラム、2016年8月が1182キログラムであり、ロシア産の数量減を埋めるには至っておりません。空輸になりますので単価が高くなりますが、日刊水産経済新聞(2015年8月24日)によりますと、漁獲して日本で販売するまでの時間は35時間程度と意外に短い。また、お隣の韓国では空港に活タラバガニを受け入れ可能な水槽等の設備が充実していることから空輸されたカニの鮮度を保てるようになっていることから年間600トン(1トンは1000キログラムですので、日本の輸入量の数十倍以上です!)ほどのノルウェー産の活カニを輸入しているとのこと。日本でもインフラが整えば、新鮮なノルウェー産の活タラバガニが楽しめるようになるかもしれません。

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統計を見る限りは、日本で流通している活タラバガニは現在、ロシア・オホーツク産、及び北海道近海産が主体になっていると推定されます。高級店ではノルウェー産が提供されはじめている筈ですが、筆者はまだ見かけておりません。日本で活タラバガニを食べれる日は、残り少ないかもしれません。

※2017年9月にグラフのデータを更新しました!

冷凍タラバガニの月別輸入量はこちら
活きタラバガニをお取り寄せできる稚内の通販店はこちら
水産物の密漁・密輸出対策に関する日露協定
カニの密漁・密輸防止のための輸出入手続きに関する情報
冷凍してない(活・生鮮・冷蔵)かにを輸入する際の手続き

かに吉



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